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- 2024/11/02(土) 10:23:39|
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それは八月の中頃、とても暑い日だった。
部活の午前練習を終えたヒロキが息を弾ませ帰ってきた。
いつもの「ただいまー」の代わりに「ごはん!ごはん!!」と駆け込んでくる。
そんなにおなかが空いたのかと振り向くと
ヒロキの腕のなかにはサバトラ模様のネコ。
ヒロキは片手でネコを抱え、家ネコである"もも"の餌箱を開けている。
「どしたの?そのネコ?」「村井んちの近くの道端で倒れてたー」という。
ヒロキが餌の支度をする間、その小さなネコを抱っこしてみると
暑さにやられたのか体は熱くぐったりな様子。
大丈夫かいな、と心配していた。
が!!!
ネコは見える場所に餌が現れたとたん、ひょいと腕から飛び降り
むしゃむしゃもりもり餌を食べ始めた。
そう、思えばその食べっぷりは子ネコとは思えないほどしっかりとしていたっけ。
でも体は儚げに小さい。
そのネコをじっと見てから"もも"を見ると、笑ってしまうほど"もも"が大きく、どっしりして見える。
牛?みたいな・・(笑
普段"もも"が一回に食べている量の二倍のごはんを平らげ、
ほっとした様子の子ネコ(・・に見えてた。)
さて、これからどうするかな、と思っていると「あらま。」
もうすでにヒロキの膝に乗り、うっとり目を細めている。
でも野良でしょ?チミは・・・。何その人懐っこさったら。
と、少し訝しげに思いつつ私が座ると実にさり気なく今度は私の膝にも乗ってきた。「あらまーーー。」
いつもは"もも"に乗られると、どしんとした重みに一瞬身構えるけれど
このネコは軽い。軽くて小さい。膝からおしりがはみ出る"もも"と違って、すっぽり納まる。
でも野良として生きていたネコは家の中ではじっとしていられないと聞いていたので
すぐに外に出たがるかと思いきや、ぜーーーんぜん。
お帰りはこちら~とドアを開けて外に出してやるもすぐにトコッと家に入ってくる。
そしてまるで「ボクは前からここに居ました」オーラをかもし出しながら、すっかり寛いでいる。
前から"もも"にもお友達を・・と思っていたので、まぁいいか。これも何かの縁でしょう。
でも明日病院に連れて行って、一応健康診断をしてもらおう。
それで問題がなかったら飼いましょう、ということになった。
動物病院にて。
先生:「うーん、特に病気はないね。ノミもついてないし。」
先生:「体重は2.2キロ」
私:(心の中で)「"もも"は5.3キロ(涙)。」
私:「あのー、何カ月くらいですかね? うちの今飼っているネコよりずいぶん小さいんですけど」
先生:「ん?」
私:「あの、まだ子ネコですよね?」
先生:「いやー、この子もういい歳だよ。おそらく五歳くらいかなぁ」
えっ、先生。こんなに小さいのに。もう五歳?
五歳といえば、人間ならもういい中年のおっさんあたりの年頃。
"もも"でさえ、まだ三歳なのに。
私:「こんなに小さいんですけど。」
先生:「いやいや、ほらね」と見せられたのは子ネコ(だと思っていた)の口の中。
そこには立派な犬歯が。
ネコの年齢は体の大きさではなくて歯で見るのだと知りました。
ついでに確認として「もしや、迷子ネコではないか?」と先生に伺ったところ
肉球もずいぶん荒れているし、爪も人の手によって切られた感じではないから
飼われてたネコではない、とのことだった。
本当はどうせなら新しく迎えるなら、かわいい本物の子ネコがいいと思っていたけれど
今さら、おっさんネコだからと見捨てるわけにもいかず
なにより居ついちゃってるので、このまま飼うことにした。
名前は"はな"。おっさんネコだけど"はな"。
"はな"は心の中でこっ恥ずかしい名前つけんなよーって思ってるかもだけど、
ここは飼い主の特権で。
で、ずいぶん長くなりましたけど"はな"です。
"もも""と"はな"は最初のうちは、どうやって相手との距離を保てばいいのかわからずにいたようで
特に"はな"の甘えっぷりはそれは見事で、こちらが歩けばいっしょに付いてくる。
こちらが座れば、すかさず膝に乗るといった調子。
あんまりべたべた甘えない"もも"からすると、その"はな"の行動はさしずめ第二子が生まれ
今まで独り占めしていたママをとられた兄の表情によく似ています。
""はな"はすっかり家ネコとしていて、まったく外には興味がなく
家の中にお気に入りの場所を見つけ悠々としています。
"もも"と"はな"の距離も、だんだんお互いを認め合うくらいにはなったようで
以前は絶対に一緒には写真を撮れなかったのが、やっと二匹で納まってくれるようになりました。
良かった。
これからは寒くなるので、いつかは温めあう"ももはな"に成長してもらいたいです。
おわり(長っ)。