夏休みに入った小学校の近くを通る。
校庭は静まり返り、サッカーゴールがぽつん。
プールではしゃぐ児童の声も聞こえない。
隣りにある芝生の公園でも遊んでいる子どもの姿は見えない。
みんなどこにいるのかな。
おうちでゲームかな。塾でお勉強かな。
あんまり外で遊ばないんだなと思いながら歩いていると
どこからか、「おまえが耳なの。」「いや、おまえが耳でしょ。」と言い合う男の子の声。
見上げるとそれぞれが大きな木に登っている2人の男子。
2人の間には細い糸がある。
ふたりはトムとハックのように枝ぶりの良い場所に上手に腰かけて
耳に紙コップを押しあてている。
糸電話だ、懐かしいー。
思わず足を止めて、ふたりを見ていると
まだうまく受け手と送り手の掛け合いが取れていないらしく
ふたりで耳にコップを当てていたり、ふたりで同時にしゃべっていたり。
「今度、オレが話すからーー」「わかったー」って糸電話なくても声届いてるよね。
iphoneの「iphoneだからできること」のひとつにビデオ通話がある。
相手の顔を見ながら話すという、たぶん画期的な新機能。
いやいや、でも私としてはこれはいらない機能というか、使わない機能
もっと言えば嫌いな使いたくない機能だなと思っていた。
別に家では全裸だからとか、
もう人様にお見せできないくらいの汚れ部屋に住んでるからという理由では決してなくて、
電話は互いの声だけを聞き、声から伝わる何かを聞きとろうとする時
それが事務的なことだけではなく、時には気持ちも声になって伝わり聞くことができるから。
そこに映像はいらないんじゃないかな。
かといってメールの素っ気なさ、怒ってんのか、怒ってないのかもわかないのよりは
電話で怒られるというのはとても恐いけれど、
やっぱり相手の怒りはメールよりは伝わってくると思う。
嬉しいことも然り。楽しい元気な声はこちらも楽しくなるものね。
それでもやっぱ映像はいいよ、声だけで十分嬉しさは伝えられるから。
・・・と、ずっとアンチ映像を思ってた。
が。
先日あっさり見事に覆った。
甥っ子に赤ちゃんが誕生し、最初はメールに写真をつけて送ってきた。
めっちゃカワイイ! まぁカワイイ!と騒いでいるところへビデオ通話招待の通知。
もちろん、すぐにオッケーで初めてビデオ通話を楽しんだ。
産院からの映像はスヤスヤ眠る赤ちゃん大写しだけれど
もちろんリアルで、ふっと赤ちゃんのあの懐かしい匂いまでもが伝わってきそうで
そして甥っ子のまだ全然パパらしくない照れ顔が可笑しくて。
無事に生まれたことが何より嬉しく、私は田舎のおばあちゃん並みに涙を流した。
そして思った。
ビデオ通話機能って素晴らしいんだなと。
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- 2011/07/28(木) 09:52:27|
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