今月から職場に新人君が入職した。
26才。若っ! 息子とひとつしか違わない。
ついに息子年代と一緒に働くのかぁとしみじみしたものの
その煌びやかな学歴経歴を聞いて、うちのとは全然違うねと。
県内一の進学校を出て、あの有名大学卒業後は国家公務員としての四年間ののち
何故か介護業界に興味がわいてこの道へ飛び込んできたらしい。
いやー、お母さん反対したでしょ、そんなエリート人生まっしぐらから
何故ココ?なんで?どして??ココに??と周りすべてから
不思議そうに見られる、真面目でぼんぼんそうな男の子。
でもきっと彼にも何か思うところがあるのでしょう。
ここに来たのも何かの縁。
きっと立派な社福士 、ケアマネ、介護職に育ちますように
と、みんなが思ってるとは思うけれど
その指導の仕方が容赦なしで。
母親ほどの先輩介護職からの荒っぽいやり方は
こっちが見ていても可哀想なくらいで
初日からピシピシバシバシとやたら厳しい。
「甘い考えで仕事してもらっても困るのよ!!」と睨む顔がこわいですってば!
何もわからずに青い顔で右往左往している彼があまりに気の毒で
鬼先輩に悟られないように次の流れをそっと指示したり
汗を流しながら走り回っているところを
ちょっとこっち!と手招きして厨房でお茶を飲ませたり。
でもこんなささやかな息抜きでは効果が薄かったらしく
ついに彼はダーっとロッカー室に駆け込み
自分のタオルを掴んでそのままトイレへダッシュ。そして雪崩のような音。。。
もう大丈夫かいな・・。
こんな事もあり心配したけれど彼はちゃんと次の日も出勤した。
そんなこんなで一週間。
なんとなくほんの少しだけど周りが見えるようになってきたのかも。
いやそれよりも、たとえば一日に三人同時の新規利用者があったりすると
三人の名前とお顔がごちゃごちゃになり
誰が誰?と、なかなかしっかり覚えられない私たちをしり目に
彼は一週間で約160名ほどの利用者すべての顔と名前を覚えたらしく
それは本当にすごいと感心させられた。
さすが!頭が良いってのはこういうことなんだね。
終業時間となり、さあ帰りましょうかという時に
ふと彼を見やると「ふぅー」と大きなため息。
よくぞ一週間このピリピリした空気に耐えましたね、の頑張りを褒めてあげたくて
「ご飯食べに行こう~」
「はい!行きます!!」
駅前の居酒屋へ行き「お疲れさまー」の乾杯をする。
さぁさぁ飲みましょ食べましょ話しましょう。
っと言ってるのに彼は食べません。
じゃんじゃん飲んで話すだけ。
えっ?食べながら飲まないと酔っぱらうよと言っても
「いえ、僕食べないで飲むばっかりなんです。
大学の時からこういう飲み方です。」
ん??もしや、のみサー??
にっこり笑って「はい!!」
あの大学の、のみサーって・・・。
仕事中、青い顔してたの誰だっけ?と疑うほど
飲んで飲んで飲んでまた飲んでちょっと食べてー
話して話して話してまた話してちょっと聞いてー
と、昼間とは人が違ったような様子に安心したような
若干引き気味を感じたような、そんなひとときだった。
そろそろ終電の時間、帰りましょうとなり
その時になって言った言葉が
「あのー、僕まだお給料貰えてないんでお金ないんです。」
あ、はいはい。わかりましたよ。
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- 2017/10/08(日) 11:38:08|
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